いずれも太陽に薄い雲がかかったときに現れる現象
いくつもの大気光学現象が重なった珍しい写真が撮れました。
まず、太陽の周りを囲んでいる光の輪は、「ハロ(halo)」あるいは「日暈(ひがさ、にちうん)」と呼ばれる現象です。月の周りに現れることもあり、それは「月暈(つきがさ、げつうん)」と呼ばれます。
その円の両サイドで虹色に輝いている光は、「幻日(げんじつ)」で、太陽が複数現れたようにみえるため、こう呼ばれるようになったようです。
「幻日」の外側に伸びている光の線は、「幻日環(げんじつかん)」で、古代中国では、この現象が現れると兵乱の兆しとされていたそうです。
4つめは、「環天頂アーク」です。これは、太陽の上方の離れた空に現れる虹のような光の帯で、通常の虹とは逆に天頂を中心として弧になっているため、「逆さ虹」とも呼ばれます。
いずれの現象も、太陽に薄い雲がかかっていて、その雲を形成する氷晶がプリズムの役割をはたすときに現れるので、このように同時に発生する可能性はあるのですが、ここまで重なるのは、そうそうあることではありません。
写真を撮り始めた頃、こういう場面に出会いながら、シャッターチャンスを逃してしまったことが何度かあるので、僕は、常に車の中にカメラと、超広角レンズを乗せておくようにしています。
佐藤 圭
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