講義で使うテキストや難解で分厚い学術書を出す、といった「お堅いイメージ」がある各大学の出版部門が、一般読者の目をひきそうなユニークな本を相次ぎ刊行している。人気のテレビ番組を取り上げたり、売れっ子漫画家に表紙絵を描いてもらったり…。柔らかな“変化球”が目立つ背景には学術書出版を取り巻く環境の変化があるようだ。(海老沢類)
東京大学出版会が10月に出した「攻めてるテレ東、愛されるテレ東」はソフトカバーで、タイトルも個性的。学術書らしい堅苦しさがない。後発民放局のテレビ東京が冒険心と独特の「ゆるさ」を武器に支持を広げていく過程を社会学者が考察した1冊だ。
「読者を広げたい。東大出版会も“攻めてる”イメージを出せたら」と担当編集者の木村素明さん。通常の学術書と比べて倍以上の部数を刷り、価格も学術書では比較的安めの2400円(税別)に抑えた。
同出版会は8月刊の科学エッセー「モアイの白目(しろめ)」でも、表紙絵を「クルクルくりん」で知られる漫画家のとり・みきさんに依頼。木村さんは、「情報が増えて価値観も多様化した今、権威ある大学の先生の著書なら売れるというわけではない。学術的な質を確保しつつ、装丁も含めた工夫が常に必要」と話す。
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December 28, 2019 at 03:27PM
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「お堅い」大学出版部が“変化球”の本、続々と - 産経ニュース
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