家庭用ゲーム機黎明期に誕生し、今も楽しめる名作から、“クソゲー”と呼ばれる不人気作まで、さまざまなソフトを生み出した『ファミリーコンピュータ』。前回はゲームソフト所有本数3万本、約3000万円をゲームに捧げたファミコン芸人・フジタに、昔不人気だったが今、価値が上がっている“成り上がり”ファミコンソフトを語ってもらったが、今回はフジタ所有の高額ソフトと、価格ではなくソフトの中身で今再評価されるべきソフトをたっぷりと語ってもらった。※価格はすべてフジタによる推定。(箱説明書ありの状態並)
超貴重!フジタ所有の高額ファミコンソフト5
「市販されているファミコンソフト(約1050タイトル)はすべて持っている」というフジタが現在所有している高額ファミコンソフトを5本ピックアップ。中には1本数十万のお宝も…。
フジタハドソンの社員の方が結婚されたときの引き出物といわれています。生産数は100本もないんじゃないですかね。カセットが金色になっているほかに、ゲームの中に出てくるキャラの名前が「Kiku」と「Megu」に変わっています。ゲーム内容も、主人公のペンギンが交尾をして生まれた子どもがお助けキャラになったり、BGMも愛にちなんだクラシックの曲が使われたり。全体的に愛にあふれた作品で。番組で狩野英孝さんに落書きされてしまって、変な名前が入っていますが…。
グラディウス アルキメンデス編(抽選で4000人)
中古価格/20万円
フジタ大塚食品の『アルキメンデス』というカップ麺の懸賞で当たるというもの。パワーアップアイテムがアルキメンデスのカップ麺になっていたり、クリアした時のメッセージが変わったりしています。『グラディウス』は、もともとアーケードゲームですが、家庭用になってもその面白さを残した“良移植”と言われています。
影の伝説 ヤマキめんつゆサマープレゼント(抽選で1万人)
中古価格/10万円
フジタ『アルキメンデス』同様、懸賞品ですね。ただこれは、中身は通常版と全く同じで外のパッケージが少し異なるものです。実は、『バイナリィランド』『グラディウス』『影の伝説』の3本は、偽物が出回っているんですよ。僕自身も、『グラディウス』で偽物をつかまされました。カセットは本物だったんですけど、箱が偽物で…。皆さん、気を付けましょう。
キン肉マン 集英社児童図書おたのしみプレゼント(何名か不明)
中古価格/5〜6万円
フジタキン肉マンのソフトと言えば赤のイメージなんですけど、これは緑。これもソフトの中身は同じなんですけど、カセットの色、シールが違います。キン肉マンは「金」(市場価格100万円以上)が欲しいんですけど、なかなか市場に出てこないです。
フジタこのゲームをやって、何点以上取ったらラベルがもらえるという企画があり、シルバー、ゴールド、プラチナ、純金とランクが上がっていくんです。実は『開運!なんでも鑑定団』で「プラチナラベルを50万円、純金ラベルを100万円で買い取ります」と募集をかけたのですが出てきませんでした。純金は見たことないです。プラチナは駿河屋さんで90万円くらいで売っていました。いまだに欲しいので持っている方、ご連絡ください。
フジタが選ぶ、今再評価されるべきソフト5
最後にピックアップしてもらったのは、発売当初はそんなに評価されていなかったが、今改めて再評価されてもいいのではというソフト。大人になった今、やってみると、あのころとは違った景色が見られるかも?
フジタ「ドラゴンズレア」同様、最初の城の中に入るのがすごく難しくて、そこで諦めた人も多いと思います。基本、即死ゲーではあるんですが、死んだところからリスタートできるので体当たりでいけばクリアできます。選択式のアドベンチャーゲームなんですけど、例えば進んだ先に本が置いてあって本を持つと死んでしまうとか、たいまつを「使う」と選択するとたいまつの火を全身に浴びてしまったり。そういうことも含めて、面白いと思います。
フジタ特に最後の戦いがぶっ飛んでいて、ピッコロVSキャプテン翼とか、抜作先生が使えたり、当時連載していたマンガのキャラを大胆に使えるごった煮感がいいんですね。謎解きが極端に理不尽だったり、ミニゲームが難しかったり。子どもに解かせるのは酷だけど、「今ならば」というところで選出しました。
フジタ画的には『ファミスタ』に近いんですけど、出場している選手が超人なんです。例えば、完全に場外ホームランだと思った打球をジャンプで捕れたり、ピッチャーは200km/h出たり。野球ゲームというと『ファミスタ』『ハリスタ』『燃えプロ』はいわゆる王道。それらに隠れながら、「超人」というキャラがいるところが面白いですね。余談ですが、僕このソフト新品で3000本持っています。どっかで眠っていたものが突然大量に出てくることがあって、7、8年前にたまたま購入しました。これからどんどん状態のいいソフトはなくなってしまうと思ったのでストックしておきたいなと…。
フジタ世間的には投げ売りされてるイメージがあると思うんですけど、いい作品です。磯野貴理子さんが所属していたチャイルズってアイドルのマネージャーが主人公のRPG。トップアイドルにして、石井光三オフィスの社長に掛け合って、ギャラを上げてもらうというゲームなので、RPGなのに「たたかう」というコマンドがないんです。一番上はたしか「よいしょ」(笑)。一風変わったところ、違う目線であることがいいんですよね。フィールド歩いて敵が出てというのはドラクエ風なんですけど、「よいしょ」して相手を気持ちよくして帰ってもらうという。大味ですけど、ゲームを通じて芸能界を感じられるかもしれません。
フジタ発売当時、天狗が主人公という奇抜すぎる設定で売れなかったのも事実です。主人公の「天狗の顔」が移動して、自由の女神やマッチョなじいさんと戦ったり。子どもには通じにくいセンスなので、当時の子どもたちは不気味がって泣き叫んでいましたね。でもシューティングゲームとしてはよくできていて、音楽もいい。大人のジョークが理解できる今なら楽しめると思います。
現代のテレビとの接続の問題など、遊ぶにはなかなかハードルが高いが、ソフトを持っている人は、昔を思い出してプレイしてみるのもおすすめだ。
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