中国を起点にドミノ倒しが始まったかのようです。先日のアップルに始まり、バーバリー・グループ、ナイキに至るまで、新型コロナウイルス感染拡大を背景に慎重な業績見通しが相次ぎました。日産自動車は部品不足が国内外にも波及する可能性に身構えています。一方で国際通貨基金(IMF)やマーケットはどちらかというと楽観的です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
救済に乗り出す
中国は多額の負債を抱える 海航集団(HNAグループ)を政府の管理下に置き、航空資産を売却する計画。新型ウイルス感染拡大による経済的影響を食い止めるため、介入に乗り出す。当局は厳しい状況に陥った航空業界に対し、直接的な資金注入あるいは統合を検討しているほか、中国人民銀行(中央銀行)は内需喚起に向け消費や投資の促進に取り組む方針。
警戒と現状維持
米連邦公開市場委員会(FOMC)会合(1月28-29日)の議事要旨によれば、当局者は リスク警戒は続けるものの、現行の金融政策は「当面」適切だと認識。一方で公開市場操作(オペ)については、財務省短期証券(Tビル)購入の規模を徐々に縮小、もしくは段階的に廃止する可能性への言及があったという。
サプライチェーン・ドミノ
関係者によると、中国政府が操業再開のタイミングとして示唆している2月21日以降も新型ウイルス感染拡大の中心地である湖北省内の工場で休業が続けば、 日産自動車ではブレーキホースからエアコン関連部品まで多岐にわたる部品の在庫が尽きる。そうなった場合、日本国内の工場が早ければ23日にも停止するほか、米国やアジア、欧州など幅広い地域にも影響が広がる可能性があるという。
楽観崩さず
IMFは世界経済の成長について、「昨年の著しい減速を経て、2020年に緩やかに上向く」と予想。1月時点での見通しを据え置いた。一方、
新型ウイルスなどのリスク要因に注意を促した。中国の見通しについては、03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行のように、混乱期の後に成長加速期が訪れ、遅れを取り戻すかもしれないと説明した。
締め付け強化
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が中国を「アジアの病人」と表現した論説は、「人種差別的」だと中国政府は謝罪を要求。WSJがこれを拒否したとして、同紙の記者3人に発行していた 記者証を取り消した。中国政府はまた、新型ウイルスを巡る問題について報じた市民ジャーナリストを拘束している。
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