
空前の猫ブームと言われる現在、不況に悩む出版界でも猫が救世主になっている。新刊書籍が売れ行きを伸ばし「猫本屋」が相次ぎ開業。背景にはブームの一言では片付けられない、脈々と続く猫と日本人の物語がある。
この世に猫がいたから、今までやってこれた――。廃業の危機を猫に救われた書店が本の街、神保町(東京・千代田)にある。創業40年になる姉川書店だ。
外観は、昔ながらの町の本屋といったたたずまい。だが、一歩足を踏み入れれば、約2500冊の猫本が面出し、平積みでずらりと並ぶ。書店内の書店と位置づける「神保町にゃんこ堂」を目当てに、多い日は100人以上の客が訪れる。
もっとも一般的な品ぞろえで営業していた2010年代初めには閑古鳥が鳴き、廃業さえ考えたという。「何とか人が立ち止まってくれるコーナーをつくれないかと、店主である父から相談を受けて目をつけたのが猫本だった」と娘の姉川祐夏里さんは振り返る。
「猫の本は表紙から目を引く。表紙がいい本は装丁が丁寧に作られており、中身もいい」。13年6月に一部の棚を猫コーナーに模様替えし、2年前には扱う書籍の95%以上を猫本が占めるようになった。
■自己啓発本にも
近年増えているのは、猫の生き方を参考にした自己啓発本だという。「猫はためらわずにノンという」(ダイヤモンド社)「猫ブッダは悩まニャイ」(ワニブックス)などは「人の目を気にしすぎてしまう現代人の気持ちに合っているのでは」と姉川さん。
猫と書店の相互扶助を掲げるところもある。17年に開業した「キャッツミャウブックス」(同・世田谷)は店主が飼う4匹の保護猫(飼育放棄や迷子などで飼い主を失った猫)が「店員」として自由に動き回る。売り上げの10%は猫の保護活動に寄付している。
「趣旨に賛同して毎月たくさんの本を購入してくれる方や古書を寄贈してくれるお客さんもいる」と店主の安村正也さん。開業当初は猫の写真を撮って帰ってしまう人も少なくなかったそうだが、徐々に書店としての存在感を増してきた。
特色は文芸書や人文書の豊富な品ぞろえ。内田百●(もんがまえに月)が愛猫の失踪を嘆き悲しむ連作「ノラや」、谷崎潤一郎が猫を中心にした男女の三角関係を描いた「猫と庄造と二人のをんな」といった有名な猫小説に加え、猫がわずかしか登場しないジョージ・オーウェル「動物農場」なども並ぶ。「作中に猫が出てくれば猫本」と位置づけて、猫本屋の中でも差別化を狙う。
「猫をきっかけに、本に興味を持ってもらえたら」と安村さん。常駐する猫が招き猫のごとくお客を呼び、売り上げがまた別の猫を助ける。そんな好循環を目指している。
猫と人の共生の物語は、現代人の乾いた心にしみているようだ。
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February 02, 2020 at 05:47AM
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