2020年5月末に大手取次の日販、トーハンそれぞれが上半期ベストセラーを発表した。
これらを眺めると、2つの特徴が指摘できる。
・子どもに関する社会派的な内容の本
ひとつめは、
英国で暮らす親子の成長を描いた『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
子ども向けに法律を分かりやすく解説した『こども六法』
少年院には認知力が弱い非行少年が多いことに気付いた児童精神科医が人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当てた『ケーキの切れない非行少年たち』
といった「子どもに関する社会派的な内容」の本が目立つことだ。
・親子で楽しめる本
もうひとつは
人気コミック「鬼滅の刃」の小説版、『鬼滅の刃 片羽の蝶』『鬼滅の刃 しあわせの花』
ゲーム攻略本である『ポケットモンスター ソード・シールド 公式ガイドブック』
記憶力を鍛えるための問題集『見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル』
といった「親子で楽しめる」本が目立つことだ(ジャンプマンガやポケモンは「子ども向け」というより「ファミリーコンテンツ」だ)。
全体として、子どもに関係する本のヒットが目立っていると言える。
なぜか?
■世帯全体の書籍代の支出は減っているが子どもひとりあたりの児童書販売額は増加
少子化にもかかわらずここ20年児童書市場は堅調だが、子育て世帯の書籍代の支出全体が増えているわけではない。
もっとも総務省統計局の家計調査では「二人以上の世帯のうち勤労者世帯」に関する項目はあっても「子持ち世帯」に限定したものはない。また、あくまで「世帯」の調査であって、「親が自分のために使った支出」と「子どものために使った支出」を分けて把握することはできない。
とはいえ「二人以上の世帯のうち勤労者世帯」の「書籍・他の印刷物」の支出は、年々減少。
対して14歳以下人口ひとりあたりの児童書販売額は2010年代半ばから上昇傾向にある。
つまり、このふたつを合わせて考えると、この世帯全体では書籍等に関する支出は減っているものの、家計の中での児童書に対する支出割合は増加していると見るべきだろう(もちろん「二人以上世帯」すべてが子持ち世帯ではないが)。
言いかえると、かつてであれば大人が自分たちのために使っていたであろう本代を、今では子どものほうに回している、と考えられる。
「親子で楽しめる本」にかぎらず「子どもに関する社会派的な内容の本」としてあげた本は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』『こども六法』『ケーキの切れない非行少年たち』いずれも子どもといっしょに読むことができる(『こども六法』なら小学校高学年以上、『ぼくイエ』なら中高生以上、『ケーキの切れない~』なら高校・大学生以上とやや対象年齢はズレるものの)。
限りある書籍代を何に使うか?
そう考えたときに「子どものためを想って本を買う」あるいは「子どものため」をアリバイにして「自分も読みたいから買う」という親の気持ちが、書籍市場に反映されているのではないだろうか。
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June 01, 2020 at 11:00AM
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