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「子どもに生きる知恵と知識を」 棚原さんが本出版 - 大阪日日新聞 - 大阪日日新聞

 来年創立50周年を迎える吹田市の少年軟式野球チーム「山田西リトルウルフ」を指導する“おばちゃん”こと、棚原安子さん(80)=同市山田西=が、チームの歩みと子育てや指導哲学をつづった本を出版した。「子どもに生きる知恵と知識を付けさせずに世に出すのは罪」と、野球を懸け橋に社会に送り出した卒業生は約1200人。今も昔も“おばちゃん”の思いは、正確無比なノック同様にぶれない。

「やれるかぎり、ノックをします」と棚原さん。今も練習ではノックを打ち込む=吹田市内

 本のタイトルは「親がやったら、あかん! 80歳“おばちゃん”の野球チームに学ぶ、奇跡の子育て」(集英社)。安子さんは1972年、夫の長一さん(82)と5人の子どもとともに、まだ開発途上にあった千里ニュータウンの団地に引っ越してきた。

 安子さんはソフトボールの元実業団選手で、長一さんは元高校球児。当時、小学3年の長男に野球を教えたいと考えていたところ目に入ったのが、ボールを壁当てしていた子どもたちだった。「なあ、あんたら野球やらへんか」。安子さんの誘いに、近所の子どもたち10人が集まった。

 雑草が生い茂り、蛇がとぐろを巻く空き地が練習場。2年目には市の大会を勝ち抜き、府大会出場を決めたが、ユニホームがないことを理由に出場できなかったことから正式にチームを発足させた。

■野球は生きる力

 チームの柱は発足当時から変わらず「社会で生きる力をつけること」。保護者会もお茶当番も規約もなく、ユニホームは子ども自身が洗う。新聞回収で活動費を稼いで捻出するのも、全ては生きる力につながる。

 「今の親は、全部面倒をみてやれば生きていけると考えているのが、不思議でならない」と安子さん。時代とともに子育て環境が変わっているのは理解しているが、戦前生まれの安子さんにとっては、孫ほど離れた親世代をもどかしく感じる時も多い。

 2016年に念願の全国大会出場を果たし、現在の部員数は約140人に上る。プロ野球・オリックスのT−岡田選手も在籍していたこともあり、最近はチームに誘っても「うちの子は運動神経が悪いので」「レギュラーになれないから」と敬遠されるケースも多い。

 しかし、「人間は動物だから、運動音痴はいない」のが安子さんの持論だ。「うちはプロ養成所ではない。どんな子でも根気よく、怒らず付き合ってやれば、絶対できるようになる。正メンバーになれなくても、この期間が人生の土台になる」と言い切る。

 ウルフでレギュラーになれなかったが、他競技で全国大会に出場した子、大学まで控えに甘んじたが、就職後に社内の野球大会でMVPになったと喜んで報告してきた教え子のことが何より誇らしいという。

■動かずは損

 現在、チームの監督は三男の徹さん(53)が務めるが、安子さんは今も練習でノックを打ち込む。その姿は、どう見ても80歳には見えない。新型コロナ禍で活動休止になっても自宅でトレーニングに励んだ。

 安子さんは、著書で「90歳で死んでも寿命を全うしたとか思わない」と書く。「せっかく健康な体で生まれてきたのに動かないのは損。気持ちがなえるのはもったいないです。失敗しても次はどうしようかとエネルギーが湧いてくる。『身を惜しんで何かをしない』というのはないんです」

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June 28, 2020 at 01:02PM
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