装丁家の鈴木成一が意外にも初めて手がける村上春樹の本。デザインの方向性はタイトルから導き出されたそうで……。 村上春樹はTシャツコレクターだった。それも、かなりマニアックな。ハルキストはもちろん、ファッション好きの若者も巻き込んで話題となった雑誌『ポパイ』の人気連載がついに書籍化。ブックデザインを手がけた鈴木成一に、これまたマニアックな装丁のポイントを聞いてみた。 Q タイトルを聞いた瞬間、装丁の方向性が決まったそうですね。 そうですね、文字の並びとしては相当不思議なんです、「村上T」というのは。「上」と「T」が並ぶと、「T」まで漢字に見えてくるでしょう? 背表紙なんて縦組みだから、特にあれ? となる。この特殊性を本のさらなる個性にするべく、オリジナルの文字を作りました。もし題名が『村上春樹が愛したTシャツ』だったら、こんな本にはなっていないですね。 Q てっきり「村」の文字だけが作字なのだと思っていました。 先に作ったのは「上T」です。表紙の左下にある「村上春樹」の文字に使ったモリサワの見出ゴMB31というフォントをベースに、セリフ(ストロークの頭にある突起や飾り)を取り払って抑揚をなくし、直線的にしています。その後に、この「上T」と並べて違和感のない「村」の形を考えました。
Q 「村」は難産だったそうですね。何パターンも試した、と。 画数が多いので、見た目が重たくなってしまうんです。3文字を並べた時にフラットな印象にしたかったので、線と線をあえて食い込ませるなどして調整しています。顔を近づけて見ると分かると思いますが、木偏の縦線と左のハネがぶつかる部分をわずかに削ったり。細かい話ですね(笑)。でも、ここが今回まずやりたいと思ったこと。一番時間をかけました。 Q 判型や文字組の意図は? この辺りは、原稿を読んだ後に自然と形が見えてきました。常々、ブックデザイナーは余計な解釈をしないほうがいいと思っているんです。作家に太刀打ちなんてできないですから。本の内容をストレートに形にすることが重要。新人作家だと過剰さや鮮烈さを求められることもありますが、村上さんにそれは必要ない。なので判型はTシャツの縦横比を軸に、上下左右に等間隔の心地よい余白が生まれるようにしました。それと今回はコレクションを楽しむ本なので、ナンバリングはきっちりあったほうがいいだろう、と。書籍には珍しく、ノンブル(ページ数)も1ページ目から律儀に入れています。1ページ目、2ページ目のノンブルがない本は多いんですよ。
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July 15, 2020 at 03:55PM
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装丁は細部が楽しい! 鈴木成一、初の春樹本。(Casa BRUTUS.com) - Yahoo!ニュース
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