1996年に登場したカプコンの人気ゲーム「バイオハザード」のシリーズ累計販売本数が1億本を突破した。武器やアイテムを使い、敵の襲撃をかいくぐって生き残る「サバイバルホラー」と呼ばれるジャンルを開拓。ハリウッドで映画化されるなどゲーム以外の分野にも積極的に進出し、カプコンの名を世界に浸透させた。
「3Dのホラーゲームの制作に参加してほしい」。94年、竹内潤常務執行役員は当時の上司から突然呼び出された。人気絶頂だった格闘ゲーム「ストリートファイター」の開発チームから異動するよう命じられ、入社4年目ながら初代バイオのリーダーを託された。
開発チームは20人弱と主力ゲームの半分以下で、入社1年目の社員が大半。竹内氏は「ストリートファイターはカプコンのど真ん中。左遷だと思った」と振り返る。
バイオハザードは、ゾンビ化した人間や犬と格闘しながらストーリーを進めていくアクションゲームだ。チームは若手ならではの斬新な発想を次々取り入れた。ハリウッド映画好きが多く、キャラクターが英語で話し、画面に字幕を流すなどホラー映画のようなつくりに。主人公が銃を撃った後、地面に薬莢(やっきょう)が落ちる効果音も忠実に再現した。
恐怖感が増す演出も工夫した。無線操縦装置をまねてあえて難しい操作方法を採用し「ゾンビから逃げるときのもどかしさ」(竹内氏)を感じられるようにした。
社内で「実験作」との位置付けだった初代は予想を覆し、約275万本を売ってみせた。バイオブームは海外でも起こり、海外の販売比率は8割を超える。累計販売1億本という数字は、3月末時点で8200万本以上を記録した「ドラゴンクエスト」シリーズを上回る規模だ。
人気はゲームの世界にとどまらず、2002年にはハリウッドで実写映画に。映画でもシリーズ化され、計6作品で約1300億円の興行収入を記録し、ゲームが原作の映画として異例のヒットとなった。
13年からはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)でバイオの世界を再現したイベントを開催し、好評を得てきた。ファミ通.comの三代川正編集長は「ゲーム自体のストーリー性が強く、エンターテインメントとして使いやすい側面がある」と成功の要因を分析する。
カプコンは現在、ソニーが11月12日に発売する新型ゲーム機「プレイステーション5」向けに新作を開発中。竹内氏は「こんなに面白いけどホラーなのかと思わせられる作品を作っている」とアピールした。
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September 21, 2020 at 03:00AM
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カプコンゲーム 世界浸透 バイオハザード1億本超 映画も好評 - SankeiBiz
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