阪神ドラフト1位の近大・佐藤輝明内野手(21)が巨人を倒してのリーグ優勝を誓った。7日、大阪市内のホテルで他の新人8選手と新入団会見を行い、背番号8のタテジマのユニホーム姿を披露。「巨人を倒さないと優勝はない」と今季8勝16敗と大きく負け越した宿敵撃ちに意欲を見せた。そのための1年目目標は「新人王」&「30本塁打」とキッパリ。ゴールデンルーキーの頼もしい決意表明に、猛虎新伝説の予感だ。

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佐藤輝は倒すべき相手を分かっていた。「やっぱり巨人を倒さないと優勝はない。巨人戦であったり、いいところで打てるようになりたい」。近大でも勝負強い打撃でチームを勝利に導いてきた。プロでもリーグ2連覇中の王者との対決で活躍することが、優勝への近道と考えている。

入団会見では多くのフラッシュを浴び、対戦したい相手に巨人菅野を挙げた。結果は? の問いに「もちろんホームランです」と即答した。菅野はポスティングでのメジャー挑戦が有力だが、巨人に残留すれば注目の対戦。今季1勝4敗と苦戦したエースにもし1発ぶちかまそうものなら…。

なんと言っても本塁打が一番の魅力。「新人王」の目標に加え、1年目の具体的な数字として「30本くらい打ちたい」とハッキリ口にした。将来の数字では「40発、40盗塁」と話したことはあるが、1年目の目標を数字で示したのはこの日が初めてだった。

目標を断定調で話したのは「言葉を大切に」と言う矢野監督の影響だった。「自分が『なりたい』んじゃなくて『なる』って決めて、それを発することでより近づける。今日はちょっと(断定して)言ってみました」。近大では今秋リーグ通算14号の新記録をつくった。だが、達成時に「記録を更新したいと思ってやったことはない」と話したように意識せず本塁打を積み重ねた。だがプロでは1年目から30本と、数字を出すことで強い決意を現した。

浜風が舞う甲子園を本拠地にする阪神の左打者の30本塁打は、10年ブラゼルの47本以来出ていない。さらに新人の左打者に限れば19年近本の9本が最多と、ハードルは高い。今季チーム最多の28本塁打を放った大山について「本塁打王も争って、打撃はもちろん、守備もすごく安定している。そういう所もどんどん吸収していきたい」と手本にする。「将来的には阪神を、日本を代表するような選手になりたい。阪神の8と言えば佐藤と言われるように」。1年目から巨人戦で派手に活躍し、16年ぶりのリーグ優勝を導く意気込みだ。【石橋隆雄】