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高野優さんが自身の体験を本に HSP HSC 敏感だっていいじゃない!:暮らし(TOKYO Web) - 東京新聞

 人一倍敏感な性格の人を意味する「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」。育児漫画家の高野優さんが自身の体験をつづった「HSP! 自分のトリセツ〜共感しすぎて日が暮れて」(1万年堂出版)を出版した。HSPは、わがままや病気ではなく、単なる気質。高野さんは「共感力や誠実さというポジティブな面も多い。理解が広がり、敏感だっていいと感じてもらえれば」と話している。(砂本紅年)

 本紙生活面で「思春期コロシアム」を連載中の高野さんは五感が敏感で、HSPを自覚している。人一倍敏感な子どもは「HSC(チャイルド)」と呼ばれる。

 記憶が残る幼稚園の時から苦手なことが多かった。アレルギーはないのにハイネックやタグのある服は肌がチクチクして着られず、カレーライスはご飯とルーが重なる部分は食べられなかった。親からは「どうして他の子と同じようにできないの!」と怒鳴られ、「わがまま」と叱られた。

 小学校でも、体育のマットは埃(ほこり)のにおいが苦手で触れず、チョークは粉が嫌で持てない。蛍光灯の眩(まぶ)しさも不快でたまらなかった。高すぎる共感力も特徴の一つ。時には他人の感情まで背負い込み、同級生が先生に怒られていると、おなかが痛くなったという。「自分は未熟だと自己嫌悪に陥ったこともあった」

 昨年、知人を通じ、初めてHSPを知った。パズルのピースが埋まるように不可解だったことが理解できた。「親から疎ましがられた子ども時代、親が自分をHSCだと知っていれば、あんなに怒られ、悩むこともなかった。怒られ損の子どもが一人でも減れば」

 高野さんは当事者に向けて、「刺激で疲れたら、心に休みが必要。他者に寄り添いすぎず、自分との間に境界線を引くといい」とアドバイス。HSCの子を持つ親には「しつけが悪いのではなく、生来の気質。良き理解者でいて」と願う。

◆5人に1人とも

 精神科医の明橋大二(あけはしだいじ)さんによると、HSPとHSCは、米国の心理学者が一九九六年に出版した著書から広まった概念。この学者らの研究では、世界には五人に一人いるとされる。

 具体的には、人の言葉の裏まで読もうと深く考える▽嗅覚や味覚など五感が鋭く、過剰に刺激を受けやすい▽共感力の高さなど感情反応が強い▽物の位置の変更など、ささいで微妙な変化にも気づく−といった四つの傾向がある。すべて当てはまると可能性が高い。

 不登校の子どもの支援活動にも取り組む明橋さん。「いじめや勉強といった原因がなく不登校になる子どもたちに、HSCに該当する子が多い」と実感する。ささいなことに動揺、疲れやすく傷つきやすいので、集団生活になじみにくいという。味覚が鋭く、給食が食べられない子に無理強いして不登校になるケースも。

 病気ではなく、治療の必要もない。このため精神科医には、あまり知られていない。「まずスクールカウンセラーなど公認心理師への相談を」と勧めている。

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December 28, 2019 at 06:40AM
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