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オオルリシジミ「空いっぱいに」 安曇野の有志 - 信濃毎日新聞

 安曇野市堀金烏川の岩原地区の住民有志らでつくる「岩原自然と文化を守り育てる会」は絶滅危惧種の希少なチョウ、オオルリシジミの生息域を広げようと今夏、幼虫の餌であるマメ科のクララを市内全域で2020株植える催しを計画している。同会代表の百瀬新治さん(68)は「安曇野の空いっぱいにオオルリシジミが舞ってほしい」と思い描き、庭先や花壇などに苗を植える市民を募る予定だ。

 オオルリシジミは安曇野で舞う姿が多く見られたが、農地整備や河川改修などで食草のクララが減り、1970年代から急減。住民や専門家らの「安曇野オオルリシジミ保護対策会議」が25年ほど前から同地区に近い国営アルプスあづみの公園内の保護区(約1ヘクタール)でクララを植え、飼育したさなぎを放し、2011年に自然繁殖に成功した。

 同会も13年頃からクララを増やす活動に着手。現在、地区内の50カ所に植わり、少なくとも10カ所で産卵や幼虫を確認している。保護活動に関わる信州大名誉教授の中村寛志さんから「さらに生息域を広げるには少なくとも500メートルごとにクララを植えていくことが必要」との助言を受け、市民参加の催しを考えた。

 19日午後1時から市岩原公民館で、中村さんやオオルリシジミを活用した環境教育に取り組む帝京科学大講師の江田慧子さんらを招いた講演会を開き、住民らに保護活動への理解を深めてもらう。百瀬さんは「地域住民主体の活動を広く知ってもらい、さらに協力者を増やし、地域の活性化につなげたい」とする。

(1月15日)

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