俳優の宍戸錠さんが先月、都内の自宅で倒れ亡くなった。86歳だった宍戸さんは10年前に妻に先立たれ、子供もいたが同居することなく1人で暮らしていたという。少子高齢化の進展で高齢者だけで暮らす世帯が増え、配偶者や子供、孫がいてもいずれは1人で生きることをだれもが覚悟する時代。そんな残りの人生をいかに生きるかを探る本の出版が相次いでいる。 (文化部 平沢裕子)
シニアの“うつ”対策
1月出版の『精神科医が教える60歳からの人生を楽しむ孤独力』(だいわ文庫)は、シニア世代に向けて孤独との向き合い方を指南した本だ。これまで“悪”とされてきた「孤独」を味方につけ、発想の転換で1人を楽しむ方法を伝授。例えば、配偶者の死別は悲しいことだが、いつまでもクヨクヨするのでなく、「1人で自由に使える時間ができた」と気持ちの切り替えを勧めている。
同書の出版は、著者の精神科医、保坂隆さんが「50歳以降に初めて“うつ”になる人が増えている」と感じたことがきっかけだ。担当編集者の大和書房編集部、三輪謙郎さんは「うつにならないためにはストレスを抱え込まないことが大事。孤独死や孤立老人など孤独をネガティブにとらえる風潮から、対策として生きがい探しや友達づくりがこれまで勧められてきたが、それがストレスの原因になっており、むしろ孤独を楽しむ力をつけた方がいいと考えた」と説明する。この数年、『孤独のすすめ』(五木寛之著・中公新書ラクレ)や『孤独の特権』(曽野綾子著・ポプラ新書)などがよく売れていることもあり、同書も発売即重版と好調だ。
ロールモデルに
幻冬舎が昨年10月に出版した『87歳と85歳の夫婦 甘やかさない、ボケさせない』は、作曲家、神津善行さん(88)と女優、中村メイコさん(85)が、日常思っていることをそれぞれにつづった。結婚して62年、3人の子供は独立し、夫婦2人の生活もそれほど遠くない時期に終わることを見据え、1人残されてからの生活に思いをはせる。最期まで自宅で作曲し家で死にたいという神津さんに対し、1人になったら老人ホームに入り病院で死にたいと望むメイコさん。さて自分はどうしたいかと考えさせる。
第二編集局の鈴木恵美さんは「高齢でお元気な夫婦のロールモデルとしてご登場いただいた。読者は50代後半から80代までとほとんどが年配者。自身の生活の参考にしているようです」と話す。一方、同社が昨年12月に出版した『72歳、妻を亡くして三年目』(西田輝夫著)は、“男やもめ”のためのロールモデル本だ。妻に先立たれた医師が3年前に出したエッセー『70歳、はじめての男独り暮らし』が好評だったことを受け、第2弾として男の1人暮らしを楽しむコツをつづっている。
団塊世代にエール
昨年12月出版の『俺たちの老いじたく』(祥伝社)は、漫画家、弘兼憲史さん(72)が20年前に出版した本の新装復刊だ。書籍出版部の沼口裕美さんは「最初の出版時に弘兼さんは52歳で、今思えば『老いじたく』というには早すぎる年齢。ただ、今読んでも面白く、むしろ今の方がテーマ的に合うと考え復刊しました」と説明する。
弘兼さんは、自身の世代が作り出した「ニューファミリー」が核家族化を招き、現在のひとり暮らし老人を多数生み出したが、老人が暮らしやすいように社会の変化が起こりつつあるとし、「団塊世代の老後はそんなに捨てたものにはならないだろう」と指摘。「家族や友人がいなくなったら、『孤独もまた楽し』と頭を切り替える。人生は楽しいことと辛いことがセットでやってくるもの」とつづり、同世代に向けて「軽い足取りで、未完のこの人生を死ぬまで歩いていこうではないか」と呼びかけている。
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February 15, 2020 at 06:00AM
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