危機は新たな危機を呼び込むのかもしれない。新型コロナウイルスの猛威を免れなかったサウジアラビアは、 増産と値下げの方向に舵を切る。 ムハンマド皇太子がサルマン国王の弟とおいを一時拘束したとの情報も、王室を巡る臆測を呼んでいる。原油市場が混乱するのは必至で、IHSマークイットは数カ月内に1バレル=20ドルに急落する可能性も否定していない。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
宣戦布告
サウジアラビアは増産を4月に計画。関係者が明らかにした。必要な場合には過去最大となる 日量1200万バレルへの増産も可能だと、一部の市場参加者に非公式に述べたという。国営石油会社サウジアラムコが4月の極東と米国、欧州向け代表油種の公式販売価格(OSP)について、少なくとも過去20年で最大の値下げに踏み切ることも分かった。商品ヘッジファンドの匿名の運用担当者は「原油市場で宣戦布告したのも同じ」と述べた。
デフォルト不可避
レバノンは9日に期限を迎える 外貨建て国債12億ドル(約1260億円)相当の支払いを見合わせる。返済保留で同国初のデフォルト(債務不履行)になるのは確実となった。900億ドルに膨張した債務全体の再編についても、債権者に話し合いを求める意向だ。同国の外貨建て国債は、国内銀行が140億ドル近くを保有している。
きのうの敵は
カマラ・ハリス米上院議員(民主、カリフォルニア州)は、ジョー・バイデン前副大統領への支持を表明。昨年12月に大統領選の民主党候補指名争いから撤退した ハリス議員は、「私はバイデン氏を信頼しており、次の米大統領に選出されるよう全力で支援する」との声明を発表。ハリス氏は、バイデン氏が候補指名を獲得した場合の副大統領候補の1人と目されている。
クレジット市場
ウイルス感染に起因するサプライチェーンの遮断は、クレジットおよび資本市場に波及し始めたようだと、 JPモルガン・チェースが指摘。ニコラオス・パニギルツオグル氏はリポートで、中小企業や旅行業界、ホテル産業においてこの傾向は顕著だと分析。幅広い支援が中央銀行や政府から来ない限り、クレジット市場ではリスクが強まり、目先数カ月で格下げやデフォルトが大幅に増えると予想だという。
試練の時
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は大半のグローバルオフィス勤務の従業員に在宅勤務を促し、新型コロナ感染拡大は「前例のない有事」であり「今が試練の時」だと文書で理解を求めた。アップル・ストアの現場でも、ジニアスバーなどでフロア面積当たりの配置人数を減らすなどの方策が講じられるという。
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March 09, 2020 at 04:14AM
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