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京大生が1年間でいちばん読んだ本はこれだ!! - PR TIMES

 入学・始業式が延期になった高校生・大学生の皆さん、こんな時期こそ「いったい自分は大学で何を学ぼうとしているのか」、一度、立ち止まって考えてみてはどうだろう。

 数ある大学の中でも、理系ノーベル賞の受賞者数は京都大学出身の研究者が圧倒的。2019年度、京都大学生協書籍部で年間1位(2019年度・一般書)のベストセラーとなった『学問からの手紙~時代に流されない思考』(宮野公樹著・小学館刊)をひもとけば、その理由が見えてくる。

ユニークな著者による壮大かつ例のないプロジェクト
 

 著者の宮野公樹さん(47歳)は、京都大学学際融合教育研究推進センター(以下、学際センター)の准教授。「学問」について語り出すと止まらない、激熱ハートの持ち主だ。

 もともと理工系、ナノテクノロジーの研究者だったが、九州大学の常勤から京都大学の任期付き講師へ移籍を敢行、取り組んでいた医工学プロジェクトを京大の正規の組織にするべく腐心、35歳前後から文系へと研究の焦点を移し、京大学長補佐を経て学際センターが立ち上がった時には、たった一人、専任教員に選ばれた。

 そこから宮野さんの怒濤の挑戦が始まった。そもそも京大の基本理念の中には「総合大学として基礎研究と応用研究、文科系と理科系の研究の多様な発展と、統合をはかること」というものがあり、学際センターの開設理念は、このうち「統合をはかる」活動を中心にすえ、「多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献する」ことを目指した。これは、大学という場で「これからの学問のプラットフォームを再構築する」という、壮大かつ前例のない取り組みである。

 学際センターのホームページには、「京大100人論文」「全分野交流会」「全分野結集型シンポジウム」など稼働中のプロジェクトが掲載され、興味が尽きない。これら類例のない企画の数々は、ほかの大学や企業から熱い視線を集め視察が殺到、しばしばメディアにも取り上げられているので、耳にしたことがあるかもしれない。
http://www.cpier.kyoto-u.ac.jp/

学問はありのままの自分を「よく生き、よく死ぬ」ためにある

 宮野さんの思いは一貫している。「学問とは、既にある知識を勉強したり、それを誰かに教えたりするものではない、ということです。世間でよく言われるように『問い、学ぶ』ではなく、むしろ『問いに学ぶ』のです。『なぜそのような問いを自分は持つのか』という問いこそが本当に意味のあることなのです」「問いは学問そのもの、個々人を超えた(問いは)真理へと通じる入口」「学問とは『社会で働くため』というより『よく生きるため』、同じ意味で『よく死ぬため』に必要なのです」「学問があれば、迷うことを正面から受け止めることができ、その迷いのありのままを抱きながら生きていけます」

 宮野さんの熱い思いは京都大学というユニークな大学で次々に成果を生んでいる。一般向けにも講義を行っている宮野さんが考え続けてきた「学問への思い」、そのすべてを高校生・大学生向けにぶつけた1冊。今こそ時代に流されず、よりよく生きるための人生設計を、あらためて考え直す好機ととらえ、ぜひとも一読を勧めたい。

 
『学問からの手紙~時代に流されない思考』
宮野公樹・著 

定価:本体1400円+税
小学館
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388672
 

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April 13, 2020 at 08:00AM
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