新型コロナウイルスをはじめとした感染症のリスクとどう向き合い、これからどのように旅をしたらよいのか? 「新しい生活様式」につづき、「新しい旅のスタイル」を模索するべく、編集部がその道のプロにインタビューし、アフターコロナ時代の旅スタイルをさぐっていきます。今回は、日本航空さんに、コロナ禍で大きく変わることになった“空の旅”の最新事情をうかがってきました。
空港や機内での航空会社の取り組みと私たちができることとは?
今回、取材にご協力いただいたのは、私たちの空の旅を支えてくれる日本航空さん。今行っている最新の取り組み(2020年8月11日時点)を、空港や機内にわけて、4名の方がお話してくれました。
本記事でご紹介するのは、主に国内線利用を想定した自宅出発→空港到着→搭乗までの流れ。チェックインや手荷物預けなどのシーン別に気をつけることや、密にならないための対策を予習しましょう。
基本方針は「安全・安心」。事前にWEBやアプリもチェック!
まずお話をうかがったのは、「商品・サービス企画本部」の澤さん。お客さま向けのサービスを形にするための骨組みとなる方針を考えるお仕事をされています。
編集部:自由にあちこちへ旅する日を心待ちにしつつも、人が多く集まる空港や機内での感染症対策は気になります。実際、どのような方針で対策を考えていらっしゃるのでしょうか?
日本航空さん:「お客さまの安全・安心」を基本コンセプトとして、さまざまな対策を講じています。大きな方針として3つありまして、「衛生管理」「3密回避」「スクリーニング」を重視するなかで、快適性の提供を考えています。
例えば、「衛生管理」としてお客さまの手が触れる場所を定期的に清掃、「3密回避」として各ポイントでソーシャルディスタンスを保つ工夫、「スクリーニング」としては保安検査場通過前にサーモカメラによる検温(一部空港で実施)など、これまでの動線のなかにコロナ対策を徹底して取り入れて、できることにすべて取り組んでいます。
また、それをお客さまに伝えるために、ホームページの専用ページやアプリ、機内動画などを通して情報を発信しています。
編集部:安全と安心、まさに今、旅行者が求めているものです。徹底した安全の管理が安心につながりますね!
日本航空さん:安全環境はご搭乗のお客さまにご協力をいただいて、一緒に作っていくものだと思っております。コロナ対策を決めるにあたっては、IATA(国際航空運送協会)やICAO(国際民間航空機関)、定期航空協会のガイドラインを遵守しつつ、飛行機を利用されたお客さまからの声も反映させながら、日々ブラッシュアップしています。
出発前にできること……荷物を減らすことが3密回避のポイント!
編集部:より具体的な旅のシーンを想定しつつ、まず出発前に旅行者が準備・協力できることはありますか?
日本航空さん:マスクの着用、こまめな手指消毒、体調が悪いときの旅行は控えることは基本的なこととして、お願いしたいと思います。また、これまでと違うお願いとしては、「荷物をなるべく少なくする」というご提案をしています。
編集部:荷物は少ないほうがいいのでしょうか?
日本航空さん:はい、手荷物預け、ターンテーブルなどで荷物をピックアップするために密集するポイントを少しずつ減らして、接触や密集を避けられればと思っています。機内に持ち込む手荷物についても少ないほど、機内での混雑が避けられます。
編集部:とは言っても、荷物を減らすのも限界がありますよね……?
日本航空さん:今後、航空会社としても空港利用時や搭乗時の荷物を少なくするための提案として、宅配会社と協力するなど新たな施策を模索しているところです。身軽で旅をすることは、これからの新しい旅行スタイルになるかもしれません!
空港到着後、非接触でチェックインから荷物預けまで!
続いて、チェックインから搭乗までのことを「空港企画部 旅客・制度企画グループ」の大西康晴さんとカムチャイパイ クンラウィッチさんにお話をうかがいました。
編集部:空港に到着したら、まずはチェックインですね。これまでと違うポイントはありますか?
日本航空さん:主要空港では、お客さまにセルフでチェックインや荷物預けをしていただくフローを推奨しています。そのなかで、お手伝いが必要なお客さまや、特殊な手荷物をお預かりするお客さまのカウンターには、ソーシャルディスタンスを保っていただくための目安となるテープを足元に貼ったり、飛行機の整備士が作ったパーティションを設置したりしています。
編集部:セルフでのチェックインや荷物預けは慣れると早いかもしれませんね!
日本航空さん:初めてで不安な方にはスタッフがサポートしていますし、一度使っていただければストレスフリーにチェックインなどの手続きを行っていただけると思います。
編集部:空港ではあらゆるところに消毒液が設置してありますね。
日本航空さん:はい、非接触タイプの消毒液を設置するようにしています。実は日本航空のアプリで、消毒液の設置場所がわかるんですよ。ぜひ確認してみてくださいね。
編集部:さすが日本航空さん……かゆいところに手が届く細かい配慮ですね!
保安検査場前のサーモカメラで体温チェック
編集部:発熱している方が搭乗しないようにするためにはどのような対策がありますか?
日本航空さん:基本的に出発前にご自宅で検温をしていただき、体調が悪い場合は旅行をお控えいただくようお願いしていますが、保安検査場を通過する前にサーモカメラを設置し、それを確認するスタッフがいます。もし発熱している方が通った場合、お声かけさせていただき、検温をお願いしています。
ラウンジの安全も慎重に管理
編集部:ラウンジは利用できるのでしょうか?
日本航空さん:はい、利用はできますが、安全の観点から、サービスの内容を変更しています。座席と座席の間やラウンジの受付には、チェックインカウンターと同様、整備士が作ったパーティションを設置しています。また、今までのビュッフェ形式での食事の提供は中止させていただいておりまして、食事と飲み物に関しては個包装での提供のみとさせていただいています。お客さまが触れる箇所の消毒や、係員のマスク・手袋着用など、衛生管理を強化しています。
搭乗時は徹底的に密を回避!
編集部:搭乗の仕方で以前と変わったことはありますか?
日本航空さん:搭乗開始時間になると、今までですと、100~200人のお客さまが行列になっていたのですが、今は搭乗口にお客さまが殺到しないよう、後部座席の方から細分化をして、10~20名単位で搭乗をしていただいています。また、お客さまに間隔を空けてお並びいただくよう、足元にマークを付けています。搭乗口と機内をつなぐブリッジでも密集しないよう、今はスタッフが確認して、誘導するなどしています。
編集部:旅行者自身も密にならないよう、時間に余裕を持った行動や、接触をしないようにする意識が必要ですね!
お話をうかがった4名のプロ
日本航空株式会社
商品・サービス企画本部
業務部業務グループ所属
澤 雄介
お客さまに「安全・安心」な空の旅をお届けするため、日本航空としての取り組みすべての総括を担当する。
日本航空株式会社
空港企画部 旅客・制度企画グループ所属
大西康晴(左)、カムチャイパイ クンラウィッチ(右)
安全安心・モアクリーン&レスタッチプロジェクトのほか、JAL SMART AIRPORTプロジェクトや空港グランドデザインを担当する。
日本航空株式会社
客室品質企画部所属
井ノ上理華
客室乗務員として入社。現在は半年に一度程度フライトをしながら、グランドクルーとして機内サービスに関する社内情報の英訳や検疫関連サポートなどさまざまな業務に従事する。
今回は日本航空さんへの取材のため2020年8月11日に羽田空港第1ターミナルにうかがい、改めて空港は“わくわくする場所”ということを思い出しました! そんな場所を安心して利用できる対策が随所に散りばめられいるのを見て、私たちも安全に利用する努力をしなくては……と気が引き締められました。これからの新しい旅スタイルを模索しながら、時代に適応していければと思います。
こちらに続きます
▸アフターコロナの旅スタイルとは?気になる“空の旅”を徹底シミュレーション!~機内・降機編~
地球の歩き方編集部では、さまざまな分野のプロにお話をうかがいながら、アフターコロナ(withコロナ)の新しい旅のスタイルをシミュレーションしています。ぜひこちらの記事もチェックしてみてください!
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地球の歩き方編集部 福井由香里
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August 21, 2020 at 05:21AM
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